解析手法紹介
人工ニューラルネットワークは人の神経伝達を模したシステムです。
学生が勉強し、テストを受けるように既存のデータをコンピューターに勉強させます。テストを受けさせその結果が良好になるように勉強させていく、まさにそのようなシステムです。
この手法を用い既存の臨床データを学習させ、新たな患者さんがきたときにどのような結果が出るのかを予測します。
あまりにも勉強させすぎると勉強させたものについては100点を取れるようになりますが、一方で少しでも学んだことから外れるととんでもない答えを出してしまうよな融通の利かないものが出てきてしまいます。
そこで一定の割合で「忘却」させます。少しくらい間違えても大幅なずれを生じさせないための機構です。
予測に関する論文は少ないですが、その中でも通常は勉強(予測式を構築)した後に一度だけテスト(検証)していることがほとんどです。しかし、実際に勉強する際には模擬テストのようなものを受けると思われます。それによって勉強の見直しを図っているのではないでしょうか。当研究所で採用している人工ニューラルネットワークの構築には模試ともいえるような検証を行っています。また、同様の検証を複数回行うことで精度を高めています。
現在では多数のデータの同時解析が必要となる場合があります。例えば一人の症例に対し10項目のデータがあった場合、症例同士を比較しようとすると10次元のデータを同時解析することとなります。人間の脳ではそうした高次元の同時解析は困難です。
自己組織化マップは人工ニューラルネットワークの一種ですが、このような高次元データを平面上に投影し、似た症例同士を集めて分類することが可能です。
本検証手法を用いた解析を現在東海大学医学部付属八王子病院消化器内科と共同研究を開始しました。